「探偵物語」歴代主題歌の真相|松田優作から薬師丸ひろ子の名曲へ
話題沸騰中の 「探偵物語」歴代主題歌の真相|松田優作から薬師丸ひろ子の名曲へについて、多角的な視点をご紹介しています。
ドラマ版のオープニングを飾る「Bad City」は、芳野藤丸(ギター・ボーカル)やケーシー・ランキン(リズムギター・ボーカル)らスタジオワークの一線で腕を鳴らしていた凄腕ミュージシャンたちによって結成されたバンド、SHOGUNの2枚目シングルとして世に放たれました。
ホーンセクションが炸裂するイントロ、唸るスラップベース、そしてタイトなカッティングギター。全編英語で歌われるリリックは、東京という大都会の冷徹さと猥雑さを余すところなくスケッチしています。歌詞の中で繰り返されるフレーズは、直訳すれば「冷たく乾いた街」「救いのない場所」を指しながらも、そこに生きる人間への侮蔑ではなく、厳しい現実を飄々と受け止めて生き抜く者の視線を描き出しています。
松田優作自身、音楽に対するこだわりは並外れたものを持っていました。当時の番組制作スタッフや関係者の回想録によると、松田は従来の日本の刑事ドラマやアクションドラマにありがちだった「湿っぽい演歌調」や「泥臭いブラスロック」を嫌い、都会的でドライ、かつ身体の芯が自然と揺れるような洗練されたグルーヴを強く求めていたと記録されています。ケーシー・ランキンが紡ぎ出した英語の語感とメロディの跳躍力は、工藤俊作というキャラクターが持つ「三枚目を装いながら裏に潜ませる刃」のような二面性に見事に合致していました。
街を走るベスパのエンジン音と「Bad City」のリズムが見事にシンクロするタイトルバックは、昭和のテレビ映像史における奇跡的な名シーンとして今なお語り継がれています。