スイートメモリーズのコード進行を徹底解剖!名曲を彩る響きの秘密
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『SWEET MEMORIES』のコードワークを語る上で絶対に避けて通れないのが、1997年に46歳の若さで急逝した稀代の作編曲家、大村雅朗の存在です。彼が遺したスコアは、歌謡曲が世界水準のポップスへと跳躍した歴史的転換点を示しています。
作詞を手掛けた松本隆は、後年のインタビューや手記において、大村雅朗との創作現場について幾度となく言及しています。大村がスタジオに持ち込んだデモテープのコード進行を聴いた瞬間、松本は「これは従来のアイドルソングの枠組みには収まらない、極上のシネマのような大人の物語でなければならない」と直感し、英語詞を大胆に交えた歌詞を紡ぎ出したと述懐しています。
大村雅朗 編曲コードワークの秘密は、ストリングスとアコースティック楽器の対位法的な絡み合いにあります。松田聖子のボーカルが持つハスキーでありながら圧倒的な透明感を損なわないよう、ギターやピアノのコードボイシングはボーカルのメロディラインと決して音域が衝突しないよう緻密に帯域が分けられています。サビで聖子の声が伸びやかに高音へ駆け上がる瞬間、バッキングはあえて音数を減らし、豊かな倍音を含むテンションコードのロングトーンで包み込む――この職人技とも言える音響配置が、40年以上の歳月を経ても古びないスイートメモリーズ ジャズアレンジの骨格を成しているのです。