カナダ国旗の意味とは?11の角の謎とカエデが選ばれた激動の歴史
カナダ国旗の意味とは?11の角の謎とカエデが選ばれた激動の歴史についての疑問解決ガイドをお届けします。
カナダ国旗の中央にあるカエデの葉をよく見ると、先端の突起(角)が全部で「11個」存在します。この角の数について、インターネット上や旅行者の間では「カナダの10の州と1つの連邦直轄地を表している」という言説がまことしやかに語られがちです。
しかし、これは明確な誤解です。現在カナダには「10の州と3つの準州」が存在しており、国旗が制定された1965年当時であっても「10州2準州」でした。どの時代を切り取っても、行政区画の数と「11」という数字は一致しません。
では、カナダ国旗11の角の意味の真実とは何なのでしょうか。その答えは、極めて実用的かつ科学的な「視認性の追求」にありました。
公式記録によると、新国旗策定チームはオタワにあるカナダ国立研究機関(NRC)の協力を仰ぎ、様々な形状のカエデをプリントした旗を巨大な風洞実験装置に投入しました。自然界のサトウカエデに忠実な13本の角を持つデザインは、風にたなびくと細部がブレて輪郭がぼやけ、遠目からは不格好な赤のシミのように見えてしまう欠陥が判明したのです。
実験を重ねたグラフィックデザイナーのジャック・サン=シール氏らは、余分な突起を削ぎ落とし、大胆にスタイライズした「11本の角」を導き出しました。時速数十キロメートルの突風に煽られても、はためく布の上でカエデの鋭いエッジが鮮明に保たれる限界値――それこそが「11」という数字の正体です。政治的思惑や神話ではなく、徹底したエンジニアリングと人間工学的デザインの勝利だったといえます。