「しいては」は誤用?ひいては・強いて言えばの違いと正しい使い方
「しいては」は誤用?ひいては・強いて言えばの違いと正しい使い方とはどんな影響があるのか? 専門的な分析を整理してお届けします。
結論から申し上げますと、広辞苑をはじめとする主要な現代国語辞典に「しいては」という単語の見出し語は存在しません。漢字表記として「強いては」や「延いては」を無理やり当てはめようとするケースも見られますが、日本語の文法上どちらも成立しない造語(混種的な誤用)です。
この言葉が広く使われてしまう最大の原因は、音の響きが極めて近い2つの正当な日本語が存在することにあります。
1つ目は、ある事柄が発展してさらに大きな範囲に及ぶことを表す「ひいては(延いては)」。2つ目は、困難を承知で無理に物事を行ったり、あえて選択したりする際の前置きとなる「強いて(言えば)」です。日常会話のスピードの中で発音が曖昧になり、頭の中で2つの言葉の意味が合体した結果、「しいては」という誤った言い回しが定着してしまった経緯があります。