坂本九『上を向いて歩こう』全米1位の真相とSukiyaki誕生秘話
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1963年6月15日付の米ビルボード誌において、『SUKIYAKI』と題された日本の楽曲が全米チャートの頂点に立ちました。ビートルズのアメリカ上陸前夜、全米がまだ独自のポップス黄金期にあった時代に、アジアの無名青年が放った一曲が3週連続で首位を独走した事実は、世界の音楽関係者に強烈な衝撃を与えました。
この歴史的ブレイクの引き金を引いたのは、イギリスのジャズ・トランペッターであるケニー・ボールでした。日本滞在時にこのメロディに魅了された彼がインストゥルメンタル版を持ち帰って英国でヒットさせ、その熱波が米ワシントン州パスコのラジオ局「KNDO」のディスクジョッキーへと伝播。ラジオの生放送で原曲をオンエアした瞬間からリスナーのリクエスト電話が鳴り止まなくなり、キャピトル・レコードからの緊急リリースと全米制覇へと繋がっていきました。
言葉の壁を越えた最大の要因は、西洋のモダンジャズやポップスのコード進行に、日本古来の「ヨナ抜き音階(五音音階)」を巧みにブレンドした中村八大氏の天才的な作曲力にあります。さらに、坂本九さんが得意としたロカビリー仕込みのヒーカップ唱法(しゃっくりするように声を跳ね上げる歌い方)が、哀愁漂うメロディに軽快なグルーヴを与え、英語圏のリスナーの耳に新しくも心地よく響いたのです。