ブータンの民族衣装が日本の着物に酷似する理由と着用の真相

話題沸騰中の ブータンの民族衣装が日本の着物に酷似する理由と着用の真相について、詳しいまとめを分かりやすく掲載しています。

ブータン民族衣装の男性用である「ゴ(Gho)」と女性用の「キラ(Kira)」を初めて見た日本人の多くは、「まるで日本の着物や丹前(たんぜん)のようだ」と直感的な親近感を覚えます。この類似性は単なる偶然ではありません。

文化人類学や民族学の分野では、日本の基層文化とブータンを含むヒマラヤ東部地域との関連性が長年研究されてきました。植物学者の中尾佐助氏や生態学者の佐々木高明氏らが提唱した「照葉樹林文化論」では、照葉樹林帯(ブータン、雲南、チベット南部、西日本など)において、絹や麻の利用、麹を使った発酵食文化、前合わせの直線裁断衣料など、生活様式の共通基盤が存在することが明らかにされています。

構造面におけるブータン民族衣装と日本の着物の共通点は以下の通りです。

・直線裁断と前合わせ(右前):反物の幅を活かして無駄なく布を裁ち、右の衽(おくみ)を内側に、左を外側にして重ねる着付けルールが共通しています。
・帯(ケラ)による固定:ボタンやファスナーを使わず、織物の帯「ケラ(Kera)」を腰回りにきつく巻きつけて固定します。
・「懐(ふところ)」の活用:男性用の「ゴ」は丈をたくし上げて膝丈で着付けるため、胸元に「レプチョ」と呼ばれる巨大な懐空間が生まれます。ここにお椀(トパ)や財布、現代ではスマートフォンなどを収納する習慣があり、日本の着物における「懐に物を収める」文化と酷似しています。

一方で決定的な違いもあります。日本の着物が足首までを覆うのに対し、男性用の「ゴ」は膝上までたくし上げて黒のハイソックスと革靴を合わせる点、女性用の「キラ」は大判の織物を体に巻き付けて肩を金具で留める独特のラップドレス構造である点など、寒冷な山岳環境と農作業に適応した機能美が際立っています。

山本 拓海

山本 拓海

ヘルス&ウェルネスアドバイザー

デジタルガジェットとスマート家電の検証記事を多数執筆。失敗しないモノ選びを提案します。

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