宮本輝の現在と壮絶な闘病記|『流転の海』誕生秘話と読むべき名作の順番
話題沸騰中の 宮本輝の現在と壮絶な闘病記|『流転の海』誕生秘話と読むべき名作の順番について、詳しいまとめを分かりやすく掲載しています。
宮本輝氏の歩んできた軌跡は、まさに戦後日本文学のひとつの頂点を示すものです。その足跡を客観的データとともに整理すると、病からの復活と文学的栄光のプロセスが鮮明に浮かび上がります。
1977年、自らの幼少期の記憶を投影した『泥の河』が第13回太宰治賞を受賞。翌1978年には富山県を流れる常願寺川水系を舞台にした『螢川』で第78回芥川賞を受賞し、文壇の寵児となりました。『泥の河』『螢川』『道頓堀川』は「川三部作」と称され、昭和の庶民生活に横たわる哀歓と生への渇望を描き出して高い評価を獲得します。
そして1982年、宮本文学の集大成となる『流転の海』の連載がスタートします。氏の実父である宮本熊五郎をモデルにした「松坂熊吾」を主人公に据え、2018年に第9部『野の春』が刊行されるまで、執筆期間37年、原稿用紙約1万枚に達する前人未到の大河小説を完成させました。2019年には日本芸術院会員に選出され、2020年には旭日中綬章を受章するなど、日本文学界の重鎮として確固たる地位を築いています。