富士山は何県にある?山頂の所有権と静岡・山梨の境界線を解明
富士山は何県にある?山頂の所有権と静岡・山梨の境界線を解明の重要なポイントについて、専門知識を取りまとめてご紹介します。
静岡と山梨、双方の住民が「うちの県のものだ」と笑顔で言い合う光景は、もはや風物詩と言っていい。しかし、法律や土地登記の観点に立つと、論争の前提そのものが覆る。山頂付近の8合目より上のエリアは、静岡県でも山梨県でもなく、宗教法人である富士山本宮浅間大社の私有地なのだ。
この歴史の起源は江戸時代初期にまで遡る。関ヶ原の戦いに勝利し天下を納めた徳川家康が、慶長11年(1606年)に浅間大社へ山頂部を奉納したことに由来する。明治時代に入り一時期は国有化されたものの、長年にわたる訴訟を経て、最高裁判所の判決に基づき2004年に正式に浅間大社への所有権移転が完了した。2026年の現在も、8合目以上の広大な敷地は大社の境内地として登記されている。
国が土地の境界を定める地図を制作する際も、この区間は異例の扱いを受ける。国土地理院が発行する公式地図でも、富士山頂周辺には県境を示す点線が引かれていない。つまり、行政上の「県境未定地」として扱われているのだ。