【徹底解説】養殖漁業と栽培漁業の違いとは?コストと環境の決定的な差
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栽培漁業の現場でも、従来の「ただ作って放流する」時代から、「科学的根拠に基づいた資源管理型放流」への転換が進んでいる。その司令塔として技術革新を牽引しているのが、国立研究開発法人水産研究・教育機構だ。
同機構では、トラフグ、ヒラメ、マダイ、ガザミをはじめとする数多くの魚介類において、放流後の追跡調査や遺伝子タグを用いた生存率の解析を徹底している。どのサイズで、いつ、どの海域に放流すれば最も効率よく成魚まで育ち、地域の沿岸漁業の揚がり高に貢献できるかという緻密なシミュレーションが行われているのだ。
水産経済と資源管理を専門とするアナリストの原田光介氏は、「栽培漁業は地域全体の共有財産を増やす公共性の高い事業であるのに対し、養殖漁業は民間事業者がリスクを負って収益を狙う純粋な産業的ビジネスモデルだ」と分析する。公共資金を投じて実施される栽培漁業においては、費用対効果の明確化と、沿岸漁業者全体による持続可能な獲り方のルールづくりが不可欠となっている。