五木ひろし『山河』が魂を揺さぶる理由|小椋佳と挑んだ名曲の真実

五木ひろし『山河』が魂を揺さぶる理由|小椋佳と挑んだ名曲の真実の要点を丁寧に掘り下げてご紹介します。

『山河』を語る上で欠かせないのが、NHK紅白歌合戦という国民的ステージにおける伝説的な名演です。五木ひろしはこの楽曲で、2000年(第51回)および2007年(第58回)の実に2度にわたり大トリを務めました。

とりわけ2000年のステージは、20世紀最後の紅白の締めくくりとして日本音楽史に刻まれています。紫紺の衣装を身にまとい、マイクを握りしめ、血管を浮き立たせて「山河」を絶唱する姿は、視聴率50%近くを記録したお茶の間に強烈な衝撃を与えました。単なる歌唱という枠を超え、ひとりの表現者が命を削って捧げた祈りのようなパフォーマンスに、会場中が静寂と圧倒的な拍手に包まれた瞬間でした。

そして時計の針を進めた2026年、五木ひろしは歴代最長となる連続出場50回という前人未到の金字塔を打ち立てた節目に、自ら紅白歌合戦からの勇退を発表しました。スポーツ紙やワイドショーでは様々な憶測が飛び交いましたが、公の記者会見で本人が語った真相は極めて潔いものでした。

「半世紀という区切りを自分の意志で打ち、後進に道を譲りながら、これからは一人の歌手としてより純粋に音楽と向き合いたい」。昭和・平成・令和をトップランナーとして走り抜けた男が下した幕引きの決断は、歌謡界における「引き際の美学」として各方面から惜しみない敬意を集めました。

中村 さくら

中村 さくら

マネー&キャリアエディター

エンタメ・カルチャー業界の深掘り取材を得意とし、現場のリアルな声をお伝えします。

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