ロックの亡霊を追い続ける言葉の劇作家——志磨遼平が2026年のポップカルチャーに突きつける「混沌」と「愛」
ロックの亡霊を追い続ける言葉の劇作家——志磨遼平が2026年のポップカルチャーに突きつける「混沌」と「愛」にまつわる役立つ知識を分かりやすく発信ます。
彼のキャリアは「破壊と再生」の歴史そのものだ。2010年代初頭、昭和歌謡と初期パンク、グラムロックを混ぜ合わせた唯一無二のサウンドで異彩を放った毛皮のマリーズは、絶頂期の中で突如解散を宣言した。惜しまれつつバンドを終わらせた直後、彼はドレスコーズを結成。メンバーの脱退を経て自らの単独プロジェクトへと移行させていく過程は、一見すると波乱に満ちている。
だが、それこそが彼の狙いであり美学なのだ。完成された成功体験に甘んじることを何よりも嫌う。常に「ドレスコーズ」という船の舵を一人で取りながら、アルバムごとに参加ミュージシャンを入れ替え、実験的な音楽性を提示し続けてきた。その姿はまるで、役柄に応じて自らの皮膚を貼り替える舞台俳優のようでもある。