砂と土の違いとは?生物と粒の大きさでわかる決定的な差
砂と土の違いとは?生物と粒の大きさでわかる決定的な差についての最新情報をご紹介します。
ガーデニングや農業を始めたばかりの人が陥りがちな失敗に、「庭の水はけを良くしようとして砂浜の砂や工事用の砂を大量に投入し、野菜や草花を枯らしてしまう」という事例があります。園芸コミュニティや知恵袋等の相談掲示板でも、「砂場のようなサラサラした地面に種をまいたが、芽が出た後に黄色くなって枯死した」という悩みが後を絶ちません。
なぜ植物は砂だけでは育たないのか。現場で土壌改良を手がけるプロの農業従事者は、次の3つの決定的要素を指摘します。
第一に、「保水性と毛細管現象の欠如」です。砂は粒子が大きく粒同士の隙間が広すぎるため、与えた水分がそのまま重力で下層へ抜け落ちてしまいます。植物の根毛が水を吸収する間もなく乾燥し、根が干からびてしまうのです。
第二に、「保肥力(陽イオン交換容量:CEC)の不在」です。土に含まれる粘土や腐植(有機物が分解されたもの)の表面はマイナスの電気を帯びており、植物に必要な肥料成分(カリウム、カルシウム、マグネシウムなどのプラスイオン)を磁石のように吸着して保持します。しかし、石英を主成分とする砂の粒子にはこの吸着機能がほとんどありません。いくら高価な肥料を与えても、水やり一回ですべて洗い流されてしまいます。
第三に、「土壌微生物の働きによる養分分解が行われないこと」です。植物は有機肥料(油かすや牛ふんなど)をそのままの形では吸収できません。土の中に棲む無数の微生物が有機物を無機態の窒素やリン酸へ分解して初めて、根から吸収できるようになります。生物が存在しない無菌・無有機物の砂の中では、この命のサイクルが完全に遮断されているのです。