アサギマダラが好む花と飛来の秘密!庭に呼ぶ植栽術と毒の謎を徹底解明

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インターネット上のガーデニング情報において、極めて頻繁に見受けられる致命的な誤解があります。それは「成虫が吸蜜する花」と「幼虫が育つ食草」の混同です。

「庭にフジバカマを植えればアサギマダラが卵を産んで繁殖する」と解説しているサイトが存在しますが、これは完全な間違いです。アサギマダラのメスは、フジバカマに産卵することは決してありません。幼虫が口にするのは、キョウチクトウ科(旧ガガイモ科)のつる性多年草であるキジョラン(鬼女蘭)、イケマ、カモメヅル類などに限定されます。

幼虫期の食草であるキジョランの葉には、カルデノライド(強心配糖体)という猛烈な心臓毒が含まれています。アサギマダラの幼虫はこの毒草をあえて貪り食い、カルデノライドを体内に濃縮して蓄積します。幼虫が鮮やかな白・黒・黄色の縞模様(警戒色)をしているのは、「自分を食べると心停止を引き起こすぞ」と捕食者である鳥類へ警告しているためです。

つまり、アサギマダラは生涯を通じて二重の毒を武器にしています。「幼虫期はキジョランのカルデノライドで命を守り、成虫期(オス)はフジバカマのピロリジジンアルカロイドで異性を惹きつける」という、極めて高度で緻密な化学防衛リレーを完結させているのです。庭づくりの際、繁殖まで目指すのであれば温暖な照葉樹林に自生するキジョランの栽培が必要となりますが、キジョランは大型のつる植物で結実までに数年を要するため、一般的な市街地の庭では成虫の休憩所(吸蜜スポット)に特化させるのが現実的かつ賢明な判断です。

また、園芸店で「フジバカマ」として安価に流通している苗の多くは、北米原産の「ユーパトリウム(青花フジバカマ/コノクリニウム)」や、サワフジバカマとの交雑種です。これらにも誘引力はありますが、原種に近いフジバカマ(Eupatorium japonicum や E. fortunei)に比べるとPA物質の含有量や匂いの質が異なり、飛来効果に差が出ることが知られています。苗を購入する際は、信頼できる山野草専門店などで「アサギマダラ誘引実績のある原種系フジバカマ」を指定して入手することを推奨します。

山本 拓海

山本 拓海

ヘルス&ウェルネスアドバイザー

デジタルガジェットとスマート家電の検証記事を多数執筆。失敗しないモノ選びを提案します。

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