ムカデに刺されたら冷やすのはNg?激痛を抑える応急処置と効く市販薬
ムカデに刺されたら冷やすのはNg?激痛を抑える応急処置と効く市販薬とはどんな影響があるのか? 背景や要点を簡潔に解説します。
地方や古くからの伝承として語り継がれている民間療法の中には、医学的に極めて危険で有害なものが数多く存在します。インターネット掲示板やSNSで時に拡散される不確かな情報を鵜呑みにしてはなりません。
最も危険視されているのが、生きたムカデをごま油や菜種油に漬け込んだ「ムカデ油(ムカデ膏)」を患部に塗布する民間伝承です。一部地域で万能薬のように信じられていますが、細菌や雑菌が繁殖した不衛生な油を傷口に塗る行為は、蜂窩織炎(ほうかしきえん)などの重篤な細菌感染症を誘発します。破傷風菌のリスクも否定できず、現代の衛生環境下では百害あって一利もありません。
また、「口で毒を吸い出す」行為も絶対に避けてください。口腔粘膜にある微小な傷や歯周ポケットから毒素が直接血中に侵入し、口内炎や咽頭浮腫による呼吸困難を引き起こすリスクがあります。さらに、アンモニア水や尿をかけるという俗説も、ムカデ毒の主成分には効果がなく、かえって皮膚を化学的に刺激して接触皮膚炎(かぶれ)を併発させる原因となります。患部を刃物で切開して毒を絞り出すような行為も、感染症と瘢痕形成を招くだけです。