世界が奪い合う東北の手仕事、受け継がれる美と現場が抱く覚悟

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青森の津軽塗は「七々子塗(ななこぬり)」や「唐塗(からぬり)」に代表される、数十回におよぶ塗りと研ぎの反復から生まれる独特の斑紋(はんもん)が特徴だ。かつては座卓や重箱が主力を占めていたが、現在はスマートフォンのカバーや高級筆記具、さらにはカスタムオーディオのハウジングへとその意匠を展開している。幾重にも重なる漆の層が作り出す奥行きは、人工素材では決して再現できない。

一方、秋田県角館に伝わる樺細工(かばざいく)は、山桜の樹皮が持つ通気性と防湿性を武器に、新たなライフスタイル市場を開拓している。手で触れるほどに艶が増す茶筒は、コーヒー豆の保存容器やシガーケースとして愛好家の間で静かなブームを呼ぶ。樹木を伐採せず、皮だけを丁寧に剥ぎ取って再生を待つという採取法そのものが、現代のサステナビリティ思想と完璧に合致している点も見逃せない。

伊藤 翔太

伊藤 翔太

フード&トラベルライター

マネー知識やキャリア形成に役立つノウハウを、初心者にも分かりやすく解説するのが得意です。

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