体性痛とは?ズキズキ鋭い痛みの正体と内臓痛との違い・最新治療
体性痛とは?ズキズキ鋭い痛みの正体と内臓痛との違い・最新治療についての真相をお届けします。
体性痛が発生する直接の引き金は、組織の破壊や炎症に伴って放出される起痛物質です。細胞膜が損傷を受けると、アラキドン酸カスケードと呼ばれる体内プロセスを経てプロスタグランジンが合成され、これが痛みの受容器(侵害受容受容器)を強く刺激・感作します。
日常的な原因から見逃してはならない重大な疾患まで、体性痛を生じさせる主な病態は多岐にわたります。
第1に「運動器の急性外傷・過負荷」です。足首の捻挫、骨折、肉離れ、打撲などの急性損傷は、局所の毛細血管破綻による内出血と急性炎症を伴い、激しい深部体性痛を引き起こします。また、無理な姿勢や長時間のデスクワークによって筋肉が虚血状態に陥る緊張性筋痛(いわゆる肩こりや筋膜性腰痛)も体性痛の典型例です。
第2に「関節・結合組織の慢性炎症」です。変形性膝関節症や関節リウマチなど、軟骨の摩耗や滑膜の増殖によって関節包に持続的な炎症が起きるケースです。朝のこわばりや歩行時の明確な痛みが特徴で、炎症が沈静化しない限り痛みが慢性化しやすい性質を持ちます。
第3に「がん性疼痛における体性痛」です。がんの進行に伴い、腫瘍細胞が近傍の胸壁や骨盤壁、あるいは骨自体へ浸潤・転移すると、極めて激しい体性痛が生じます。日本緩和医療学会のガイドラインでも示されている通り、骨転移に伴う痛みは動作時(荷重時や体動時)に激増する性質があり、患者の日常生活動作(ADL)を著しく奪うため、専門的なペインコントロールが要求されます。