もつ鍋下処理は茹でるだけNg?臭みを消し極上の脂を残すプロの技
もつ鍋下処理は茹でるだけNg?臭みを消し極上の脂を残すプロの技についての最新情報をお届けします。
では、脂を溶かすことなく、表面の汚れと酸化物質だけを極限まで取り除くにはどうすればよいのでしょうか。ここで登場するのが、博多の熟練肉職人や一流割烹が受け継いできた「生もつ下処理小麦粉法」と「ホルモンぬめり取り塩揉み」のコンビネーションです。
「もつ鍋専門店のプロの下処理」の現場を取材すると、彼らは決して最初から熱湯に肉を放り込みません。生もつをボウルにあけ、まず行うのは水気を徹底的に拭き取った状態での小麦粉(または片栗粉)と塩による丁寧な擦り洗いです。
この工程には、極めて合理的な物理化学的根拠があります。小麦粉の微粒子に含まれるグルテンとデンプン質は、油分と水分を同時に抱き込む強力な多孔質吸着性能を持っています。もつの複雑なヒダに入り込んだ過酸化脂質や微細なゴミを、小麦粉がスポンジのように物理的に吸着して絡め取ります。さらに、大さじ1杯程度の粗塩を加えて揉み込むことで、浸透圧の差によって組織内部の余分な水分とドリップ(臭み成分を含んだ体液)が強制的に体外へ排出されます。
実際に調理現場の検証でも、小麦粉と塩で約2分間優しく揉み洗いし、流水で白濁が完全になくなるまで3〜4回すすいだ生もつは、ぬめりが完全に消失し、指で触れるとキュッとした心地よい摩擦感が生まれます。この段階で、不快な動物性生臭さの70%以上がすでに消え去っているのです。