流石とは?目上に使うと失礼な理由と語源の真相・敬語言い換え術
流石とは?目上に使うと失礼な理由と語源の真相・敬語言い換え術とはどんな影響があるのか? 詳しい意味を簡潔に解説します。
「流れる石」と書いて、なぜ「さすが」と読ませるのか。この流石の漢字の由来は、4世紀の中国・東晋時代の逸話を集めた古典『世説新語』に記された故事成語 孫楚のエピソードに遡ります。
晋の時代の文人・孫楚(そんそ)は、俗世を離れて隠遁生活を送る決意を友人の王済(おうせい)に語ろうとしました。本来であれば「枕石漱流(石を枕にし、流れで口をすすぐ=自然の中で清貧に生きる)」と言うべきところを、誤って「漱石枕流(石で口をすすぎ、流れを枕にする)」と言い間違えてしまったのです。
王済から「川の流れを枕にできるわけがないし、石で口をゆすぐことなどできないだろう」と突っ込まれた孫楚は、非を認めるどころか次のように屁理屈を並べて言い逃れをしました。
「流れを枕にするのは耳を洗い清めるためであり、石で口をすすぐのは歯を磨いて丈夫にするためだ」
この強引なこじつけと機転の利いた負け惜しみに対し、王済は呆れつつも「なるほど、よくぞそこまで言葉をこじつけたものだ(流石=さすが)」と感心しました。ここから「流石」の二文字が「負け惜しみを言いくるめる巧みな様子」を経て、やがて「並外れて見事なこと」「感心せざるを得ないこと」を表す当て字として定着したのが流石の語源の真相です。文豪・夏目漱石のペンネームも、この「漱石枕流」から頑固者・へそ曲がりを自認して名付けられたことで知られています。