犬がくるくる回る理由は?危険な病気のサインと受診目安を徹底解説

犬がくるくる回る理由は?危険な病気のサインと受診目安を徹底解説に関するポイントを分かりやすくまとめました。詳細な解説をご覧ください。

日常の癖とは異なり、犬の意思とは無関係に旋回が止まらなくなる状態を、獣医学では「旋回運動(Circling)」と呼びます。これは脳や末梢神経に物理的な障害が生じている明確なサインです。

愛犬が以下の疾患を抱えている場合、旋回行動とともに特徴的な臨床症状が現れます。

1. 犬の認知機能不全症候群(認知症・老犬の旋回運動)

高齢犬(主に11歳〜13歳以上)に多く発症する認知症では、脳の神経細胞の変性に伴い、同じ方向に円を描くように歩き続ける旋回運動が頻繁に確認されます。歩行が途中で止まらなくなり、部屋の隅や家具の隙間に頭から入り込んで自力で後退できなくなる「引っかかり」現象や、昼夜逆転、単調な夜鳴きを併発するのが典型的な兆候です。

2. 前庭疾患(特発性・末梢性・中枢性)

内耳から脳幹にかけて存在する平衡感覚を司る「前庭神経」に障害が起きると、犬は激しいめまいと平衡感覚の喪失に襲われます。首が片側に傾く「捻転斜頸(ねんてんしゃけい)」、眼球が左右や上下に小刻みに揺れ動く「眼振(がんしん)」、ふらつき、嘔吐を伴いながら、障害がある側の方向へぐるぐると旋回します。シニア犬に突発的に起きる「特発性前庭疾患」は、早期の適切な対症療法によって数日から数週間で改善する例も多く見られます。

3. 脳腫瘍・中枢神経障害・脳炎

大脳の前頭葉や側頭葉に腫瘍や炎症性の病変が存在すると、病変が存在する側に向かって持続的に旋回する運動障害が現れます。旋回行動のほかにも、ぼんやりと虚空を見つめる意識障害、壁に頭を押し付ける動作(ヘッドプレッシング)、視力障害などが重層的に確認されます。

4. 特発性てんかん・発作性運動異常

脳の神経細胞が過剰に興奮するてんかん発作の前兆として、急に落ち着きを失ってソワソワと旋回し始めるケースがあります。部分発作として旋回行動そのものが現れる場合もあり、発作後には大量のよだれや一時的な盲目状態、強い疲労感を伴うことが特徴です。

5. 常同障害(強迫性障害・ストレス性)

慢性的な運動不足、極度の分離不安、環境変化による過度なストレスから、精神的な逃避行動として旋回を繰り返す病態です。尻尾を激しく追いかけて噛みちぎる自傷行為に至るケースもあり、行動治療や環境改善、向精神薬による薬物療法が必要となる場合があります。

佐々木 一輝

佐々木 一輝

ビジネス戦略アナリスト

Webメディアでの編集・執筆歴10年。読者の好奇心を刺激するストーリー作りを心がけています。

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