ドレミの歌の英語歌詞は鹿?「ドはドーナツ」ではない真相と発音の極意
ドレミの歌の英語歌詞は鹿?「ドはドーナツ」ではない真相と発音の極意について分かりやすく解説いたします。最新の情報をお届けします。
英語歌詞を歌う際、日本人が最も戸惑うのが「シ(Si)」ではなく「ティ(Ti)」と発音される点です。「Do Re Mi Fa So La Ti Do」という表記を見て、「ミスプリントではないか」と疑う読者も少なくありません。
この謎を解くには、中世ヨーロッパにまで遡るソルフェージュの歴史を知る必要があります。11世紀、イタリアの修道士グイード・ダレッツォが「聖ヨハネ賛歌」の各節の頭文字から「Ut-Re-Mi-Fa-Sol-La」の6音音階を考案したのがドレミの起源です。その後、16世紀末に7番目の音として「Si(聖ヨハネの頭文字 S+I)」が追加されました。
ところが19世紀のイギリスで、教育者サラ・アン・グローバーとジョン・カーウェンが提唱した「トニック・ソルファ法」によって大きな改変が行われます。この記譜法では、各音階の頭文字を1文字(D, R, M, F, S, L...)のアルファベットで略記していました。しかし、5番目の「Sol(ソ)」と7番目の「Si(シ)」は、どちらも頭文字が「S」で重複してしまいます。
そこで混同を避けるため、「Si」の子音を「T」に変えて「Ti(ティ)」としたのです。このトニック・ソルファ法が英米圏で音楽教育の標準として定着したため、ミュージカルを手掛けたリチャード・ロジャースたちも当然のように「Ti」を採用し、「Tea(紅茶)」という単語を歌詞に当てはめました。
日本は明治時代にフランスやドイツ経由で音楽理論を導入したため「ドレミファソラシ」が定着しましたが、英語圏では「Do-Re-Mi-Fa-Sol-La-Ti」が常識です。この文化的な受容ルートの違いが、「シ」と「ティ」のギャップを生み出しています。