日本橋小舟町「伊場仙ビル」の全貌!老舗の歴史と浮世絵の真相

日本橋小舟町「伊場仙ビル」の全貌!老舗の歴史と浮世絵の真相の詳細解説を解説します。最新トレンドがチェックできます。

伊場仙ビルの価値を理解する上で避けて通れないのが、株式会社伊場仙の歴史です。同社の創業は、徳川家康が江戸城に入城した年と同じ天正18年(1590年)。初代・伊場屋勘左衛門が浜松から家康公に供奉して江戸へ渡り、幕府の御用商人として竹製品や和紙の取り扱いを始めたことに端を発します。

江戸中期以降、伊場仙は扇子やうちわの製造販売のみならず、浮世絵の「版元(出版・プロデューサー)」としての地位を確立しました。当時の流行発信地であった日本橋において、浮世絵界の二大巨匠である歌川国芳や歌川広重、歌川豊国らを起用し、斬新な「団扇絵(うちわえ)」や名所絵、役者絵を次々とプロデュースしました。猫を描いた国芳のユーモラスな作品や、広重の精緻な風景描写が印刷されたうちわは、当時の江戸町民にとって最先端のファッションアイテムであり、庶民の日常を彩るメディアそのものでした。

さらに幕末期には、現在も歴史探訪ファンの必需品となっている伊場仙 うちわ 江戸切絵図など、精密かつ実用的な木版地図の出版も手掛けました。伊場仙ビルに眠るアーカイブは、単なる一企業の社史にとどまらず、近世日本の出版・グラフィックデザインの歴史そのものを物語る一次史料としての重みを持っています。

伊藤 翔太

伊藤 翔太

フード&トラベルライター

マネー知識やキャリア形成に役立つノウハウを、初心者にも分かりやすく解説するのが得意です。

Share this article
Twitter Facebook Pinterest