津川雅彦と兄長門裕之の波乱万丈な絆!名門マキノ家が遺した真実
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1980年代半ば、二人の関係は決定的な危機を迎える。長門裕之が上梓した自伝『洋子へ』が、芸能界を揺るがす大スキャンダルとなったのだ。妻・南田洋子への愛を綴る体裁を取りながら、多くの共演者や業界関係者、さらには身内である弟・津川雅彦の私生活まで赤裸々に明かしてしまった。
激怒した津川は記者会見を開き、兄への怒りを隠さず徹底的に批判。絶縁宣言とも取れる言葉を放ち、兄弟の溝は修復不能に見えた。世間は名門兄弟の骨肉の争いとしてこれをセンセーショナルに報じた。
だが、物語はそこで終わらない。晩年、妻・南田洋子が重度の認知症を発症すると、長門は仕事をセーブして献身的な在宅介護に身を捧げた。その痛ましいまでの愛情と疲弊を間近で見た津川は、かつての怒りを捨て、兄を陰ながら支える道を選んだ。「兄貴は不器用な男だった」。津川が漏らしたその一言には、許しと深い憐憫、そして血を分けた兄への変わらぬ敬意が滲んでいた。