【魔女の宅急便】トンボはキキと結婚した?本名や声優、原作のその後の真相
【魔女の宅急便】トンボはキキと結婚した?本名や声優、原作のその後の真相についての真相をお届けします。
映画の終盤、観客の誰もが固唾を呑んで見守るのが、突風に煽られた巨大な飛行船「自由の冒険号」のロープにトンボが宙づりになる飛行船事故の救出劇です。時計塔の針に必死にしがみつくトンボを、飛べなくなっていたキキがデッキブラシを手に取り決死の飛行で助け出すシーンは、日本アニメーション史に残る名場面として語り継がれています。
しかし前述の比較表で示した通り、この息を呑むような大事故は原作小説には一切存在しないスタジオジブリ映画版のオリジナル展開です。原作者の角野栄子氏は当初、映画化に際してこの派手な大スペクタクル演出に難色を示したと伝えられています。角野氏が描きたかったのはあくまで少女の日常的な自立と心の揺らぎであり、ハリウッド映画のような大惨事によるカタルシスではなかったからです。
それでも宮崎駿監督がこの事故を物語の頂点に据えた背景には、監督自身の並々ならぬ執念と作家性がありました。宮崎監督にとって、トンボというキャラクターは「幼少期から青年期にかけての自分自身の分身(モデル)」に他なりません。
幼い頃から飛行機や軍用機を愛し、空への憧れと科学技術への熱情を抱き続けた宮崎少年。トンボが自作したプロペラ自転車の無骨な溶接跡や、チェーンの駆動機構、人力飛行機の主翼構造のディテールには、宮崎監督が愛してやまない「メカへのフェティシズムと少年の狂気」が注ぎ込まれています。
キキが挫折を味わい、魔法の力を失って自己同一性の危機に瀕したとき、彼女を再び空へと呼び戻す触媒になるのは「空を純粋に愛し、危険に晒されたトンボの存在」でなければならなかったのです。単なる恋愛感情を超えた、「同じ空を志向する魂の共鳴」を描くために、飛行船事故という巨大な試練が必要不可欠だったといえます。