資生堂アートハウス休館の真相と開館状況|名建築の魅力を徹底解剖
資生堂アートハウス休館の真相と開館状況|名建築の魅力を徹底解剖の概要と注目ポイントを一挙に解説しました。
資生堂アートハウスが美術愛好家のみならず、建築関係者からも聖地として崇められる最大の理由は、その建築的価値にあります。1978年に開館した本建築は、近代日本建築界の巨匠である谷口吉郎と、後にニューヨーク近代美術館(MoMA)新館や東京国立博物館法隆寺宝物館を手掛けることになる息子の谷口吉生による、歴史上極めて稀な「親子合作」の傑作です。
竣工翌年の1979年には、優れた建築作品に贈られる国内最高峰の栄誉「日本建築学会賞」を受賞。建物全体がまるで一服の抽象彫刻のような端正さを誇り、幾何学的なシルバーのアルミパネルとガラス、そして掛川の豊かな自然芝が見事な対比を描き出しています。
館内に足を踏み入れると、計算し尽くされた円形展示室とトップライト(天窓)から注ぐ柔らかな自然光が、来館者の視線を自然と美術品へと導きます。人工的な主張を極力削ぎ落とし、主役である作品と鑑賞者の対話を促す空間構成は、訪れる者の心を瞬時に鎮静化させる力を持っています。建築物自体がひとつの巨大な芸術作品であり、外観の陰影を観察するだけでも訪れる価値があります。