和山やま『夢中さ、きみに。』人気の真相|ドラマ・アニメと魅力を解剖
今注目を集めている 和山やま『夢中さ、きみに。』人気の真相|ドラマ・アニメと魅力を解剖について、多角的な視点をご紹介しています。
本作に触れる前の読者から頻繁に寄せられる疑問として、「これはボーイズラブ(BL)作品なのか?」というものがある。表紙の美麗なイラストや、男子高校生同士の関係性に焦点を当てている点から、BL的な文脈を期待あるいは警戒する声が一部のSNSで見受けられる。だが、この認識は作品の本質を見誤るリスクを孕んでいる。
『夢中さ、きみに。』で描かれるのは、性愛や恋愛感情を軸としたロマンスではない。むしろ、他者との間に存在する不可侵の領域を互いに認め合いながら、ほんの少しだけ相手の世界に足を踏み入れる「純粋な他者理解のプロセス」である。
たとえば「うしろの二階堂」において、クラスメイトの目高優一は、不気味キャラとして周囲から避けられている二階堂明の素顔(実は中学時代にモテすぎて人間関係にトラウマを抱えた美少年)を偶然知ってしまう。だが目高は、その秘密をクラスに吹聴してヒーローになることもなければ、二階堂を劇的に救済しようともしない。ただ「後ろの席の変なやつ」として適度な距離を保ち、くだらない雑談を交わす関係にとどまる。この「お互いに踏み込みすぎない節度」こそが、読者にとって極上の安心感をもたらしている。
【プロの結論】おすすめできる人・慎重になるべき人の判断基準
本作を鑑賞するにあたり、編集部が提示する客観的な適性基準は以下の通りである。
- 強くおすすめできる人:
- クスッと笑えるシュールなユーモアや言葉の掛け合いが好きな人
- 過度なお涙頂戴や劇的な事件展開に疲れ、静かに心を整えたい人
- 大西流星や高橋文哉をはじめとする若手実力派俳優の原点とも言える繊細な演技を堪能したい人
- 日常の何気ないディテールや、行間を読む読書体験を好む人
- 視聴・購読に慎重になるべき人:
- 明確な巨悪との対決や、怒涛の伏線回収・サスペンスを最優先で求める人
- 分かりやすい恋愛成就や告白シーンなど、直球の胸キュン描写を期待している人
- 1話ごとに劇的な起承転結がカタルシスとして提示されないと退屈に感じてしまう人