チェルノブイリ「象の足」の正体と現在|致死線量と撮影者の真相
チェルノブイリ「象の足」の正体と現在|致死線量と撮影者の真相の全体像を詳しく解説してご紹介します。
チェルノブイリ原発4号機の原子炉内で起きた暴走は、一瞬にして炉心を2,000℃以上の超高温へと押し上げました。この壊滅的な熱量は、ウラン燃料ペレットだけでなく、それらを収めていたジルコニウム合金の燃料被覆管、制御棒のホウ素や黒鉛、さらには原子炉構造材のステンレス鋼までも瞬時に溶融させました。
こうして生まれた高温の溶融液体は、原子炉圧力管の底部を溶かし落とし、下層のコンクリート床へと流下しました。コンクリートに含まれる二酸化ケイ素(砂成分)を取り込みながら化学反応を繰り返した液体は、粘性の高いシロップ状となって配管や通気ダクトを伝い、原子炉建屋の地下室(配管廊217/2室)へと流れ込みました。
溶融物が冷え固まる際、何層にも重なり合って垂れ下がった外観が大型哺乳類の皮膚や蹄に酷似していたことから、調査団によって「象の足」と名付けられました。原子力工学においてこの溶融固形物は「コリウム(Corium)」と呼ばれ、核燃料を含む人工溶岩のような極めて特異な結晶構造を持っています。