犬が水をよく飲むのは病気?危険なサインと1日の飲水量目安

犬が水をよく飲むのは病気?危険なサインと1日の飲水量目安について押さえておきたい 注意点を厳選して解説いたします。

「水を飲む量が増えた」という事象の裏側には、往々にして排尿量の増加(多尿)が先行しています。身体から水分が過剰に漏れ出してしまうため、脱水を防ぐ防衛反応として喉が渇き、結果として水を飲み続けるという悪循環が生じるのです。その背景にある代表的な5大疾患を精査します。

第1に警戒すべきは犬腎不全の兆候です。特にシニア期を迎えた老犬水ばかり飲む理由の筆頭に挙げられます。腎臓のネフロンが破壊されると、体内の老廃物を濃縮できなくなり、薄い尿が大量に排出されます。失われた水分を補うために飲水量が増大しますが、この段階でネフロンの約70%以上が機能を喪失していることも珍しくありません。

第2に、犬糖尿病初期症状としての多飲多尿です。インスリンの分泌不足や作用低下により血中のブドウ糖が過剰になると、腎臓の再吸収能力を超えて糖が尿中へ漏れ出します。この糖が浸透圧によって水分を抱き込み、大量の尿として体外へ奪われるため、激しい口渇感に襲われます。「食べる量は増えているのに体重が落ちていく」という現象を伴うのが特徴です。

第3は、副腎皮質からコルチゾールが過剰分泌されるクッシング症候群犬症状です。皮膚が薄くなる、毛が抜ける、筋力が低下してお腹がぽっこりと垂れ下がる(太鼓腹外観)といった変化とともに、顕著な多飲多尿が定常化します。

第4に、未避妊のメス犬において極めて危険な急性疾患が子宮蓄膿症犬の病態です。発情(ヒート)が終わってから1〜2ヶ月後に発症しやすく、子宮内で増殖した細菌が産生する毒素によって腎臓の抗利尿ホルモン受容体が阻害され、急速な多飲多尿を引き起こします。外陰部からの排膿、発熱、元気消失が伴う場合、数日以内に敗血症や子宮破裂に至る恐れがある緊急疾患です。

第5として、肝機能不全や悪性腫瘍に伴う高カルシウム血症が挙げられます。いずれの疾患も放置すれば代謝機能が破綻し、全身の多臓器不全へと直結します。

林 結菜

林 結菜

ライフスタイル編集者

エンタメ・カルチャー業界の深掘り取材を得意とし、現場のリアルな声をお伝えします。

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