米油は本当に危険なのか?製造工程の落とし穴と安全な選び方を暴く
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もう一つの論争の的が「トランス脂肪酸」だ。心血管疾患のリスクを高めるとされるこの物質が、植物油の精製プロセスで意図せず生成されるという指摘がある。
米油の原油には独特のぬか臭や不純物が含まれているため、高温高真空下で水蒸気を吹き込む「脱臭工程」を経る。この工程でおよそ230度から250度の熱が加わる際、微量のシス型脂肪酸がトランス型へと変異する現象が起きる。これをもって「米油はトランス脂肪酸の塊だ」と断じる言説が生まれた。
日本油化学会がまとめた油脂のトランス脂肪酸含有量データによれば、一般的な精製植物油に含まれる割合はおおむね0.5%から1.5%前後に過ぎない。部分水素添加油脂(マーガリンやショートニング)がかつて含んでいた十数%という数値と比較すれば極めて微量だ。過剰摂取を日常的に続けない限り、健康被害を直ちに引き起こす水準ではない。むしろ米油はオレイン酸とリノール酸が約4対3という理想的なバランスを誇り、加熱調理時の酸化劣化が他の植物油に比べて圧倒的に遅いという強靭な耐熱性を持っている。