85番札所・八栗寺の奇跡|聖天信仰の真実と五剣山が秘めた霊験の全貌
85番札所・八栗寺の奇跡|聖天信仰の真実と五剣山が秘めた霊験の全貌に関する深掘り解説を分かりやすく解説いたします。
四国遍路の札所の多くは、極楽往生や先祖供養といった来世の救済を願う場としての性格を持ちます。しかし、第85番札所である八栗寺がこれほどまでに熱烈な信仰を集め続ける理由は、圧倒的な現世利益(げんぜりやく)を授ける「歓喜天(聖天様)」の存在にあります。
聖天様はもともとインド神話の神(ガネーシャ)に由来し、仏教に取り入れられてからは、あらゆる障害を取り除き富や良縁をもたらす尊格として祀られてきました。八栗寺の聖天尊は、延宝5年(1677年)に無染上人が東福門院から賜った秘仏を、木食以空(もくじきいくう)上人が五剣山へ勧請したことに始まります。以来、商売繁盛や夫婦円満、良縁成就を祈願する商人や庶民の間で瞬く間に評判が広まりました。
境内を見渡すと、巾着(財運)や二股大根(無病息災・縁結び)を模した彫刻や装飾が随所に見られます。あまりの霊験の強さから「畏れ多い神仏」とも称される聖天様ですが、真摯な祈念を捧げる参拝者に対しては、現世のあらゆる苦難を救い上げる慈悲深さを持つと信じられています。