海芝浦駅はなぜ改札を出られない?東芝直結の絶景秘境駅を徹底解剖
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鶴見駅(神奈川県横浜市鶴見区)から工業地帯の奥深くへと伸びるJR鶴見線海芝浦支線。その終点である海芝浦駅に降り立った旅行者がまず目にするのは、一般的な駅前広場や商店街ではなく、物々しいセキュリティゲートと警備員の姿です。この駅の改札出口は、そのまま重電メーカーの拠点である東芝エネルギーシステムズ京浜事業所の正門に直結しています。
敷地全体が企業の私有地であり、高度な機密情報やインフラ設備を扱う拠点であるため、社員証や入門許可証を持たない一般人はゲートを通過することが法律的にも物理的にも許されていません。取材記録や産業史資料によると、鶴見線の前身である私鉄「鶴見臨港鉄道」が1940年(昭和15年)にこの駅を開設した際、芝浦製作所(現・東芝)の埋立造成地への通勤専用路線として敷設された歴史的経緯があります。駅そのものが企業の敷地内にめり込む形で設計されているため、公道へ通じる通路が存在しないのです。
駅周辺を取り囲む道路もすべて東芝の私道および敷地内通路であり、駅へアクセスする手段はJR鶴見線の列車以外に存在しません。タクシーで乗り付けたり、徒歩や自転車で駅に到達したりすることは不可能な「陸の孤島」であることが、首都圏でありながら秘境駅と呼ばれる最大の理由です。