天下りの意味とは?なぜここまで批判されるのか「渡り」の罠と真相

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天下り問題を語る上で、より悪質性の高い派生形態として知っておくべき概念が「渡り(わたり)」です。両者の違いを端的に言えば、天下りが「単発の再就職」であるのに対し、渡りは「官僚OBが複数の団体を数年スパンで渡り歩き、その都度巨額の退職金を獲得し続けるシステム」を指します。

典型的なスキームでは、50代半ばで退職した元局長級のOBが、まず所管の独立行政法人で副理事長などを3年間務めて数千万円の退職金を受け取ります。その後、関連する公益財団法人へ理事長として再就職し、任期満了で再び退職金を獲得。さらに最後は関連業界の大手民間企業へ顧問として迎え入れられる、というステップを踏みます。

この渡りの破壊的な実態を天下に知らしめたのが、産経新聞が報じた農林水産省OBの事例です。この元官僚は関係団体や公益法人など計6つの組織を渡り歩き、受け取った退職金の累計額は実に3億2000万円に達していました。1つの団体に在籍した期間はわずか数年であるにもかかわらず、公的資金が原資に含まれる退職金が満額支払われ続けたのです。

「渡り」は、組織側に「元大物官僚の顔を立てる」口実を与え、官僚側には「定年後も現役並み、あるいはそれ以上の実質所得を確保させる」という相互依存の構造を提供します。任期満了に伴う計画的な人事異動として処理されるため、外見上は適法に見える点が極めて悪質だと批判されています。

吉田 誠

吉田 誠

インテリア&ライフスタイルコーディネーター

最新のテクノロジーと生活デザインの融合をテーマに、国内外の最新トピックを発信しています。

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