『もののけ姫』たたら場の女が示す真実!エボシ御前の理想郷と深層

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『もののけ姫』は、従来の単なる勧善懲悪ものの時代劇ファンタジーアニメとは一線を画している。自然を破壊する悪の存在として描かれがちな製鉄集落「たたら場」だが、宮崎駿監督はその内部を「人間にとっての理想郷(ユートピア)」として描いてみせた。

たたら場では、女性だけでなく、病者(ハンセン病を思わせる人々)にも居場所と役割が与えられている。病者たちは最新の火縄銃(石火矢)を製造し、技術者として自尊心を持って生きている。身分や病気による差別を排し、個人の能力と貢献度によって役割を与えるこの組織システムは、現代のダイバーシティ&インクルージョンの理念を先取りしていたと言わざるを得ない。

神々が宿る深い森を切り開くという「悪の側面」と、虐げられた人々を救済する「善の側面」。この相反する二面性を同居させた点に、歴史ファンタジーとしての卓越した凄みがある。

清水 千尋

清水 千尋

フード&トラベルライター

マーケティングと消費者心理のトレンドを分析し、現代のヒット商品の背景を読み解きます。

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