落語界の異端児・立川こしらの現在地|真打昇進の真相と志らくとの絆
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立川こしらを巡る言説の中には、その破天荒なパブリックイメージゆえに生じた根深い誤解がいくつか存在します。取材現場から見える真相をもとに、それらの盲点を是正します。
第一の誤解は、「立川流の規律を無視する怠け者」という見方です。真実は正反対であり、こしらは誰よりも「自活すること」にストイックな落語家です。寄席を持たない落語立川流の宿命として、落語家は自力で会場を押さえ、チケットを売り、観客を呼ばなければ生活できません。彼は自らチラシを作り、地方の小規模スペースを開拓し、音響・照明から経理まで一人でこなす「完全個人事業主」としてのシステムをいち早く構築しました。その実態は怠惰どころか、強靭なビジネスマンのそれです。
第二の誤解は、「落語界の仲間と孤立している」というイメージです。協会の定席に出演しないため、一見すると演芸界の孤島にいるように見えますが、実際には落語芸術協会所属の若手・中堅真打(桂竹千代など)の昇進披露で口上を務めるなど、派閥や流派を超えた同業者からの信頼は極めて厚いものがあります。既存のしがらみに囚われず、個人の実力で横の連帯を結ぶ姿勢は、閉塞感に悩む若手噺家にとってのロールモデルとなっています。