相加平均と相乗平均の罠とは?大学入試で減点されない解法を徹底解説
相加平均と相乗平均の罠とは?大学入試で減点されない解法を徹底解説とはどんな影響があるのか? 専門的な分析を簡潔に解説します。
多くの受験生が頭を悩ませるのが、「問題文を見たときに、相加相乗平均 いつ使うかをどのように判断すればよいのか」という使いどころの境界線です。2次関数の平方完成や数学II・IIIの微分法など、最大・最小を求める道具が複数ある中で、相加相乗平均を選択すべき決定的なシグナルが存在します。
最も強力なシグナルは、相加相乗平均 逆数の和の形が現れた瞬間です。相乗平均側の積 $\sqrt{ab}$ において、変数同士が打ち消し合って「積が定数になる」構造が存在するとき、相加相乗平均は絶大な威力を発揮します。
代表的な例題として、$x > 0$ における $x + \frac{9}{x}$ の最小値を求めるケースを考えます。$x > 0$ かつ $\frac{9}{x} > 0$ であるため、相加平均と相乗平均の大小関係をそのまま適用できます。
$$x + \frac{9}{x} \geqq 2\sqrt{x \cdot \frac{9}{x}} = 2\sqrt{9} = 6$$
ここで変数の積が綺麗に相殺されて定数「6」が残ります。そして必須となる等号成立条件は、$x = \frac{9}{x}$ かつ $x > 0$ より、$x^2 = 9 \implies x = 3$ のときです。$x = 3$ という実数が確かに存在するため、「$x = 3$ のとき最小値 6」と堂々と結論づけることができます。
また、応用として頻出するのが3変数の相加相乗平均の公式です。正の実数 $a > 0, b > 0, c > 0$ に対して、以下の関係が成り立ちます。
$$\frac{a+b+c}{3} \geqq \sqrt[3]{abc} \quad (\text{等号成立は } a = b = c)$$
直方体の表面積が一定であるときの体積の最大化問題や、$x + y + \frac{16}{xy}$ のような2変数以上の対称式・逆数構造において、微分計算を行うと泥沼化する場面でも、3変数の相加相乗平均を用いればわずか数行で決着がつきます。
ただし、大学入試 頻出パターン解説において絶対に警戒すべき典型的な落とし穴があります。それは、多項式の積を展開せずに部分ごとに相加相乗平均を適用してしまう誤謬です。例えば、$(x + \frac{1}{y})(y + \frac{4}{x})$ の最小値を求める際に、それぞれの括弧内で独立に相加相乗平均を使い、$2\sqrt{\frac{x}{y}} \times 2\sqrt{\frac{4y}{x}} = 8$ と計算する解答が後を絶ちません。この場合、前者の等号成立条件は $xy = 1$、後者の等号成立条件は $xy = 4$ となり、両者が同時に成り立つことは不可能です。同時に満たせない等号をもとに導いた「8」は最小値にはなり得ません。必ず一度式を「展開」して $xy + \frac{4}{xy} + 5$ と整理した上で、積が定数になるペアに対して1回だけ相加相乗平均を適用するのが鉄則です。