コーカソイドとモンゴロイドの分岐点:最新ゲノムが描く人類の起源
コーカソイドとモンゴロイドの分岐点:最新ゲノムが描く人類の起源の注目ポイントを詳しく解説してご紹介します。
18世紀後半、ドイツの解剖学者ヨハン・フリードリヒ・ブルーメンバッハは、頭骨の観察結果に基づいて人類をヨーロッパ系のコーカソイド、アジア系のモンゴロイド、アフリカ系のネグロイドなどに分類した。この視覚的特徴に基づく五大人種説(あるいは三大人種説)は、長年にわたり人間社会の人間観を決定づける強固なフレームワークとして定着した。
だが、統計手法とゲノム解読を融合させた集団遺伝学の誕生が、そのパラダイムを破砕する。現代の集団遺伝学は、個体間の遺伝的バリエーションの大部分が「同一の集団内」に存在することを示している。地理的な連続性に伴って遺伝子頻度が徐々に変化する「勾配(クライノ)」の存在が実証されたことで、明確な区切りとしての人種概念は科学的な妥当性を失ったのだ。