「自分が自分じゃない」感覚の正体は?離人症の原因と回復への処方箋

「自分が自分じゃない」感覚の正体は?離人症の原因と回復への処方箋とは一体何なのか? 詳しい意味を整理してお届けします。

ネット上のコミュニティや相談掲示板では、「周囲の景色が薄いラップに包まれているように見える」「家族と会話していても、録音された音声を遠くから聞いているような疎外感がある」といった切実な吐露が後を絶ちません。当事者の手記やインタビューを精査すると、周囲にこの感覚を説明しても「考えすぎ」「寝不足じゃないか」と片付けられてしまい、深い孤立感を深めていくプロセスが共通して浮かび上がります。

ある克服体験者の手記には、次のような生々しい告白が残されています。

「朝起きて洗面台の鏡を見た瞬間、そこにいるのが誰かわからなくなった。自分の顔なのに他人のデスマスクを見ているようで、息が詰まった。病院に行っても脳のCTや血液検査には一切異常が出ず、『気のせい』と言われるのが何より辛かった」

この手記の主はその後、専門の心療内科で丁寧な問診を受け、激務と家庭問題による自律神経の疲弊が根底にあると突き止めました。感覚の異常そのものを恐れるのをやめ、「心が休めと叫んでいるシグナル」と受け止め直すことで、約1年半の通院と休養を経て元の安定した感覚を取り戻しています。現場の実態が示しているのは、離人症の苦しみの本質は症状そのもの以上に、「このまま一生現実に戻れないのではないか」という予期不安によって症状が増幅される構造にあるという事実です。

山下 哲也

山下 哲也

自動車・モビリティライター

デジタルガジェットとスマート家電の検証記事を多数執筆。失敗しないモノ選びを提案します。

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