赤い月は地震の前兆か?不気味な赤の正体と科学が明かす決定的な真相

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そもそも、なぜ夜空に浮かぶ月が時に妖しく、不気味な赤色へと変貌を遂げるのか。まず大前提として理解すべきは、「月そのものの発光色や表面物質が変化しているわけではない」という点だ。月は自ら光を放っているのではなく太陽光を反射しており、地球から見える色の変化はすべて「地球を取り巻く大気」のイタズラによって引き起こされている。

この現象の主たる原因は、物理学における「レイリー散乱」である。太陽光が大気圏を通過する際、波長の短い青い光は空気中の窒素や酸素分子に衝突して四方八方に散乱しやすい。一方で、波長の長い赤い光は障害物をすり抜けて直進する性質を持つ。月が地平線や水平線の近くにある低空に位置するとき、観察者の目に届く月光は大気層を極めて長い距離にわたって通過しなければならない。その結果、青い成分は途中でほとんど散乱されて消失し、直進性の高い赤い光だけが我々の瞳に届くのだ。夕焼けや朝焼けが真っ赤に見えるのと全く同一の原理である。

さらに、大気中に浮遊する微粒子の存在がこの色合いを劇的に強める。工業地帯から排出される大気汚染物質、黄砂、森林火災の煙、火山灰、そして花粉や湿度の高い水蒸気などの粒子が漂っている場合、光はより広範に散乱(ミー散乱)される。大気の状態次第では、月は普段の淡い黄色を通り越し、赤銅色、あるいはドス黒い赤色にまで変化する。東京湾岸や都市部、あるいは湿潤な夏の夜に赤い月が頻繁に目撃されるのは、こうした気象条件や人工的な大気環境が大きく寄与しているためだ。

また、天文学的なイベントである「皆既月食」の際にも月は深い赤色に染まり、英語圏では「ブラッドムーン(Blood Moon)」と呼称される。これは、太陽・地球・月が一直線に並び、地球の影の中に月が完全に隠れた際、地球の大気層をかすめて屈折したわずかな夕焼け色の光が月面を照らす天体現象だ。何百万年もの周期で計算可能な純粋な軌道運動であり、地球内部の地殻破壊とは何ひとつ因果関係を持たない。

松本 悠斗

松本 悠斗

サステナビリティ研究家

マネー知識やキャリア形成に役立つノウハウを、初心者にも分かりやすく解説するのが得意です。

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