なぜ『本の雑誌』は熱狂を生むのか?最新号・歴史・評判の真相を追う

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『本の雑誌』の歩みを語る上で欠かせないのが、作家の椎名誠と、名物編集者・文芸評論家(北上次郎名義でも知られる)の目黒考二という2人の盟友の存在です。1976年、自分たちが本当に面白いと思える本を紹介したいという純粋な衝動から、わずかガリ版刷りに近い手作り感覚の同人誌としてスタートしました。

当時の文芸界や出版メディアは、大手版元の意向や広告出稿に配慮した宣伝色の強い書評が主流でした。その旧態依然とした構造に対し、2人は「面白くない本はハッキリと面白くないと書く」「埋もれたエンターテインメント小説を全力で発掘する」という現場主義の姿勢を打ち出し、読者の圧倒的な共感を呼んだのです。自著や回想録で語られた「金配りや忖度だらけの書評界に風穴を開けたかった」という告白通り、その姿勢は既存の権威に対する痛快なカウンターカルチャーでした。

沢野ひとしの味のあるイラストや木村晋介の軽妙なエッセイなど、創刊メンバーの個性が融合した紙面は、単なるカタログ誌を超えた「活字中毒者たちの秘密基地」として熱烈なコミュニティを形成していきました。

加藤 愛美

加藤 愛美

エンタメ専門ジャーナリスト

マーケティングと消費者心理のトレンドを分析し、現代のヒット商品の背景を読み解きます。

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