小栗旬と蜷川幸雄が紡いだ師弟の絆|壮絶稽古と涙の弔辞の真相
小栗旬と蜷川幸雄が紡いだ師弟の絆|壮絶稽古と涙の弔辞の真相の全貌を丁寧に掘り下げてご紹介します。
ふたりの師弟関係がひとつの頂点に達したのが、2007年の舞台『カリギュラ』(アルベール・カミュ作)です。小栗は若き独裁者・カリギュラという狂気と孤独を抱えた極めて難度の高い役に抜擢されました。
全編にわたる膨大な台詞量と、暴君の破壊衝動、その奥底にある実存的絶望を演じ切るため、小栗は心身を極限まで追い込みました。蜷川氏の徹底的な演出と小栗の狂気すら漂う鬼気迫る熱演は演劇界に衝撃を与え、小栗はこの作品で第15回読売演劇大賞優秀男優賞および第52回紀伊國屋演劇賞個人賞を受賞。名実ともに日本を代表する実力派舞台俳優としての評価を確立しました。
さらに2009年には、井上ひさし書き下ろし・蜷川演出の傑作舞台『ムサシ』で佐々木小次郎役を好演。宮本武蔵役の藤原竜也とともに蜷川演劇の若き双璧としてロンドンやニューヨーク公演を成功させ、海外の批評家からも惜しみない絶賛を浴びました。この海外経験を通じて、小栗は「世界と渡り合うための表現」を肌で吸収していったのです。