傷病手当金が退職後もらえない罠!退職日出勤と継続給付の全条件

傷病手当金が退職後もらえない罠!退職日出勤と継続給付の全条件に関する専門家の意見を分かりやすく解説いたします。

ネット上のQ&AサイトやSNSでは、「退職後も少しなら在宅ワークやアルバイトをしても減額されるだけで済む」「体調が良い日だけ単発バイトをすれば傷病手当金をもらい続けられる」といった危険極まりない誤情報が散見されます。在職中と退職後における法令適用の本質的な違いを理解していないと、重大な損失を被ることになります。

在職中の傷病手当金であれば、療養期間中に一時的に就労して給与を得た場合、その日数分の手当金が「減額または不支給」になるだけで、再び休業すれば受給を再開することができます。しかし、退職後の継続給付においては、「一度でも労務に服した」とみなされた瞬間に、受給権そのものが永久に消滅します。

保険者の審査基準において、退職後の就労は「アルバイトであるか正社員であるか」「労働時間が数時間であるか」を問いません。たとえ1日2時間の軽作業であっても、あるいはクラウドソーシングでの業務委託であっても、報酬を得る労務を行った実績が確認されれば、「労務不能の状態から脱した(治癒した)」と認定されます。退職後の給付は一度資格を失うと、翌日以降に体調が急激に悪化して再び寝たきりになったとしても、二度と復活することはありません。

さらに見落としやすい盲点が以下の2点です。

  1. 無報酬の法人役員就任や自営業の手伝い
    知人の会社の役員に名目だけで就任したり、実家の家業を無報酬で手伝ったりした場合でも、登記や実態調査によって「労務提供が可能である」とみなされ、支給停止処分を受ける事例が多発しています。
  2. 医師の証明書における「労務不能」期間の空白
    退職後の傷病手当金申請書には、毎月必ず主治医による「労務不能であったことの意見書」の添付が必要です。この際、診察日が月に1回しかなく、医師が「診察していない過去の日付については証明できない」と記入を拒否した場合、その空白期間によって継続性が途切れ、以降の審査で不支給決定となるリスクがあります。退職後は最低でも2週間に1回から月に1回以上、継続的な受診実績を積み上げておくことが必須です。
高橋 健太

高橋 健太

ライフスタイル編集者

Webメディアでの編集・執筆歴10年。読者の好奇心を刺激するストーリー作りを心がけています。

Share this article
Twitter Facebook Pinterest