『Nのために』衝撃の真相と結末考察|真犯人とそれぞれのNを徹底解剖
『Nのために』衝撃の真相と結末考察|真犯人とそれぞれのNを徹底解剖に関する専門家の意見を分かりやすく解説いたします。
本作の伏線の中で、視聴者の間で最も議論を呼び続けているのが「安藤望は本当に無垢な被害者だったのか?」という点と、「西崎真人が抱えていた過去の傷」です。
事件当夜、安藤望は野口邸の外から玄関の「ドアチェーン」を掛けました。この行動の真相について、ネット上では「安藤による意図的な殺人教唆ではないか」という誤解も散見されます。しかし、安藤の心理は「希美を独占したいという無自覚な嫉妬とプライド」による悪戯に近いものでした。
将棋の勝負で野口に勝ち、海外赴任の内定を得ていた安藤は、希美と野口が親密にしている現場を見せつけ、希美を自分だけのものにしたいと考えました。野口邸の中で希美と西崎、野口夫妻が深刻な修羅場を迎えているとは夢にも思わず、「部屋から出られないようにして少し困らせてやろう」とチェーンを掛けたのです。しかし結果として、そのチェーンが西崎と奈央子の脱出を阻み、惨劇の引き金となりました。
一方、西崎真人は幼少期に実の母親から火のついたタバコを押し付けられるなどの凄惨な虐待(火傷のトラウマ)を受けていました。母親を愛しながらも憎み、最終的に火災の中で見捨ててしまったという深い罪悪感を背負っていた西崎は、DVに怯えながら夫に縋る奈央子の中に「かつての母」を投影してしまいました。西崎にとって身代わりとなる服役は、奈央子のためであると同時に、自らの過去を贖罪するための儀式でもあったのです。