ぎょう虫検査が廃止された理由とは?夜のかゆみの正体と家庭の駆除法
ぎょう虫検査が廃止された理由とは?夜のかゆみの正体と家庭の駆除法について押さえておきたい 事実を分かりやすく解説いたします。
昭和の時代、春の風物詩ともいえたぎょう虫検査が学校健診から姿を消して約10年が経過しました。文部科学省が定めていた学校保健安全法施行規則が改定され、2015年度(2016年3月末)をもって小学3年生以下へのぎょう虫卵検査の義務付けが完全に撤廃されたことが直接の理由です。
検査が廃止された最大の要因は、日本国内における衛生水準の飛躍的な向上と検査陽性率の激減にあります。1950年代(昭和20〜30年代)には児童の寄生虫卵保有率が60%を超える時期もありましたが、下水道の普及、水洗トイレの一般化、さらには人糞肥料から化学肥料への完全移行によって、感染率は劇的に低下しました。廃止直前の全国調査では陽性率が0.1%〜0.2%前後まで落ち込んでおり、全児童を一斉にスクリーニング検査する公衆衛生上の意義が薄れたと判断されたのです。
あわせて、検査用紙の配布や回収に伴う学校現場の業務負担、思春期を迎える児童へのプライバシー保護の観点なども重なり、座高測定などと同時期に見直しが実施されました。ただし、行政による一斉検査がなくなったことは「ぎょう虫が絶滅した」ことを意味するわけではありません。