なぜ速い人は減速しない?ハードル走で跳ばずに駆け抜ける極意
なぜ速い人は減速しない?ハードル走で跳ばずに駆け抜ける極意の疑問点について、分かりやすい解説を基に徹底解説します。
実技指導の現場において、驚くほど多くの中学生や一般ランナーが誤解しているのが、ハードル走のレギュレーションです。ルールへの誤った認識が、思い切りのよい走りを妨げているケースが少なくありません。競技規則(日本陸上競技連盟・ワールドアスレティックス規則)に基づくハードル走の基本ルール詳細まとめとして、次の事実を正確に抑えておく必要があります。
最も多い誤解が「ハードルを倒してしまったら失格、あるいはタイムにペナルティが加算される」という思い込みです。現行の国際ルールおよび公認ルールにおいて、ハードルを足や手で引っ掛けて倒すこと自体によるペナルティや失格は一切ありません。走者自身の進行の妨げや減速要因にはなり得ますが、競技規則上は完全に無罰です。ただし「故意に手を使ってハードルを倒した」と審判員に判断された場合や、「ハードルが倒れたことで隣のレーンの走者を著しく妨害した」場合は失格の対象となります。
もうひとつの決定的な失格基準は、バーの通過軌道です。競技規則TR22.6では、踏み切り足や抜き足が「ハードルの外側(バーの端より外側の空間)を通過してクリアすること」を明確に禁止しています。つまり、バーの高さを越えるのが億劫だからといって、脚を横に逃がしてバーの端より低い位置を通して走った場合は一発失格となります。バーの上を正しくまたぎ越すフォームを身につけることは、ルール遵守の観点からも不可欠です。
【プロの結論】おすすめできる練習アプローチ・慎重になるべき人の判断基準
ハードル技術を効率よく伸ばすためには、現在の走力と骨格発達に応じた「向き・不向き」を冷静に見極める必要があります。以下を判断の基準としてください。
▼ 3歩インターバル走に今すぐ取り組むべき人:
50m走を男子6秒台後半・女子7秒台前半で走れる基礎走力があり、踏み切り時に腰の位置が高く保てているランナー。恐怖心なく前方へ突っ込める選手は、インターバルを規定より50cm縮めた設定から始めると、即座にスピード感覚が身につきます。
▼ まずは4歩リズムやドリルに専念すべき人(無理な3歩を避けるべき人):
まだ平地でのスプリントスピードが不足している段階で無理に3歩インターバルを強行すると、ハードル間で極端な「オーバーストライド(大股走り)」になり、ブレーキ接地が癖づいてしまいます。また、股関節の柔軟性(特に外旋・開脚)が著しく低いランナーは、抜き足を無理に水平に引こうとすると腰椎や股関節周囲炎を痛めるリスクがあります。まずは柔軟性の確保と「4歩・逆脚交互踏み切り」でピッチを上げる練習を優先してください。