日本に一番近い国はどこ?最短3.7Kmの真相と隣国距離ランキング
日本に一番近い国はどこ?最短3.7Kmの真相と隣国距離ランキングとはどんな影響があるのか? 主要なファクトを整理してお届けします。
ネット上のQ&Aサイトや知恵袋、SNSの議論を見渡すと、「日本は周囲をすべて海に囲まれた孤立した島国だから国境線など存在しない」「日本に一番近い島は対馬だ」といった誤解や不正確な言説が散見されます。地政学と法秩序の観点から、これら3つの盲点を正しく解体します。
第1の誤解は、「領海の外側は完全に自由な海である」という認識です。国連海洋法条約(UNCLOS)に基づき、国家の主権が及ぶ範囲は基線から12海里(約22.2km)の「領海」に限定されます。しかし、宗谷海峡や津軽海峡、対馬海峡東水道・西水道、大隅海峡の5海峡は、日本政府が自ら領海幅をあえて3海里(約5.56km)に留める「特定海域」に指定しています。冷戦期に米軍の核搭載艦艇の通過を念頭に置いた措置ですが、結果として海峡の中央には公海部分が残り、ロシアや中国の軍艦が法的に無害通航できる空間を生み出しています。
第2の誤解は、「サンフランシスコ平和条約で北方領土を放棄した」という言説です。1951年に署名されたサンフランシスコ平和条約において、日本は千島列島(クリル諸島)の権利を放棄しました。しかし、歴史的にも国際法上も、歯舞群島、色丹島、国後島、択捉島の北方四島は「千島列島」には含まれない日本固有の領土であるというのが一貫した公式見解です。したがって、納沙布岬と貝殻島の間にある水路は、法的には「国境」ではなく、外国軍によって不法に引かれた「軍事境界線」に過ぎません。
第3の盲点は、「日本の最北端と隣国の関係」です。一般に日本の最北端は稚内の宗谷岬と思われがちですが、政府公式見解における最北端は択捉島のカモイワッカ岬(北緯45度33分)です。仮に択捉島を基準にする場合、ウルップ島(ロシア領)との間に位置する択捉海峡が日露の国境線となり、その幅は約40kmとなります。どの地点を起点に設定するかによって、国境線までの距離の定義は幾重にも変化するのです。