大学進学率の都道府県別格差を検証!東京と最下位で30%差が生じる理由
話題沸騰中の 大学進学率の都道府県別格差を検証!東京と最下位で30%差が生じる理由について、詳しいまとめをご紹介しています。
なぜ東京都の大学進学率は突出して高く、地方の一部地域では4割台にとどまるのか。取材と各種公的統計の突き合わせにより、そこには個人や学校の努力だけでは覆せない「3つの構造的障壁」が存在することが判明しました。
1. 「下宿コスト1,000万円の壁」と世帯所得の圧倒的格差
第一の要因は、親世代の経済力と「自宅外通学」にかかる莫大な追加費用です。厚生労働省の賃金構造基本統計調査や総務省の家計調査を見ても、東京都の平均世帯年収は全国平均を大きく上回り、700万〜800万円台に達するのに対し、東北や九州、沖縄の地方都市では400万〜500万円前後にとどまる地域が少なくありません。
さらに深刻なのが生活費の負担です。東京都民であれば、早稲田・慶應義塾・明治といった有力私立大学に「実家から電車通学」できます。学費4年間の総額は約450万〜600万円で済みます。しかし、地方在住の生徒が東京の私立大学に進学する場合、学費に加えて家賃や光熱費、食費などの仕送り負担が月額10万〜15万円(年間120万〜180万円)発生します。4年間の総額は優に1,000万〜1,200万円を超え、子どもが2人、3人いる地方家庭にとって、これは極めて過酷な経済的ハードルとなります。
2. 私立大学の7割が集中する「高等教育インフラの不均衡」
第二の要因は、大学の立地そのものの偏りです。日本国内にある私立大学(約600校)のうち、約7割が首都圏・近畿圏・中京圏の三大都市圏に集中しています。東京都内だけで140校以上の大学が存在するのに対し、県内に私立4年制大学が数校、場合によっては文系学部を持つ私立大が1校程度しかない県も珍しくありません。「自宅から通える大学の選択肢がない」という環境が、進学そのものを躊躇させる大きな要因になっています。
3. 地方産業の採用慣行と「高卒就職」の安定ルート
第三に、地域ごとの労働市場の違いが挙げられます。大都市圏の主要産業は、金融、IT、総合商社、外資系コンサル、広告といった「大卒・院卒が応募資格の前提」となるホワイトカラー職種で占められています。親も子も「大学を出なければスタートラインに立てない」という切迫感を持っています。
対照的に、製造業の有力工場、大手インフラ企業、地場優良建設業などが経済を支える地方部では、伝統的な「高卒採用」のパイプラインが健全に機能しています。高卒就職率が20〜30%台に達する県では、無理に多額の奨学金を借りてFランク私立大学に進むよりも、18歳で地元大手企業や県庁・市役所・警察・消防などの公務員に就職する方が、手堅く堅実なキャリアを歩めるという合理的な判断が存在します。