鳩サブレーが130年愛され続ける理由|鎌倉・豊島屋の全真相2026年版
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鳩サブレーを語るには、まず豊島屋の創業者・久保田久次郎の話を外せない。明治27年(1894年)、久保田は鎌倉・小町に菓子舗を開いた。当時の鎌倉は東京から近い行楽地として多くの外国人が訪れており、ある日、久保田はイギリス人の外国人客からバタークッキーをもらう機会を得た。その味に衝撃を受け、「日本人向けにアレンジして商品化したい」と試行錯誤を繰り返したのが鳩サブレーの原点とされる。
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「鳩」という形を選んだ理由は、鎌倉の鶴岡八幡宮との深い縁にある。鶴岡八幡宮の祭神・八幡神の使いは古来から「鳩」とされており、境内には多くの鳩が生息していた。久保田は「鎌倉を象徴するものを菓子に宿したい」という思いから、鳩の形を採用。サブレー(仏語でsablé、「砂」を意味する)という名称は当時としては斬新な西洋菓子の呼称で、洋の東西を融合した独創的な発想が詰まっている。豊島屋の社内誌「鳩のつぶやき」では、こうした創業期のエピソードが幾度も語り継がれており、その精神は今なお受け継がれている。
注目すべきは、この基本レシピが130年以上ほとんど変わっていないという事実だ。バター・小麦粉・砂糖・卵という至ってシンプルな原材料を、しかし極めて高い精度でコントロールすることで一定の味を維持する。「変えないこと」を守り続けることこそが、豊島屋の最大の品質戦略といえる。