極寒の攻防劇から54年——なぜ「あの湯気」は昭和・平成・令和を越えて日本人の食卓を温め続けるのか

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当時の食生活において、屋外で温かいスープと温かい麺を同時に食べるということはほぼ不可能だった。あさま山荘の現場が期せずして証明したのは、この革新的なパッケージが持つ圧倒的な「機能美」と「保温性」である。

プラスチックではなく発泡スチロール製の容器を採用したことで、熱湯を入れても手が熱くならず、極寒の屋外でも熱を逃がさない。フォーク一本で手軽に食べられる手軽さ。凍りついた弁当しか知らなかった当時の視聴者にとって、過酷な現場で隊員が見せた満足気な表情は何よりのCM効果をもたらしたのである。商品CMを意図しない報道番組が、結果として史上最強のプロモーションとなった瞬間だった。

中村 さくら

中村 さくら

マネー&キャリアエディター

エンタメ・カルチャー業界の深掘り取材を得意とし、現場のリアルな声をお伝えします。

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