血中酸素飽和度の正常値と90%以下の危険性|低下原因と正しい測り方

血中酸素飽和度の正常値と90%以下の危険性|低下原因と正しい測り方にまつわる役立つ知識を詳しく紐解きます。

日本呼吸器学会をはじめとする呼吸器病学の指針において、安静時における血中酸素飽和度(SpO2)の正常値は96〜99%と定められています。空気中の酸素は肺胞を通じて毛細血管へ取り込まれ、ヘモグロビンと結合して全身の臓器へと運ばれますが、健康な状態であれば肺を通過した血液中のヘモグロビンの大半が酸素で満たされています。

加齢に伴う肺機能の自然な低下により、高齢者における血中酸素飽和度の目安は93〜95%程度まで許容されるケースがありますが、それでも93%を割り込む状態が続く場合は何らかの病態が進行している疑いがあります。そして、臨床医学において最大の警戒ラインと位置づけられているのが血中酸素飽和度90%以下という数値です。

なぜ「90%」がそれほど危険なのか。その理由は、生理学における「酸素解離曲線」の特性にあります。動脈血酸素分圧(PaO2)とSpO2の関係を示す曲線は直線ではなく、S字状のカーブを描きます。SpO2が90%のとき、動脈血酸素分圧はおよそ60Torr(mmHg)に相当し、日本呼吸器学会の定義における「急性呼吸不全」の基準に達します。この90%という数値を下回ると曲線が急激に落下するため、わずかな酸素供給の低下でも数値が一気に80%台、70%台へと暴落し、脳や心臓への不可逆的な酸素欠乏を引き起こすリスクが跳ね上がります。

森 瞳

森 瞳

ヘルス&ウェルネスアドバイザー

暮らしを豊かにする便利アイテムや時短アイデアを中心に、実用的な情報をお届けします。

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