執行猶予とは無罪と違う?前科や実刑との決定的な差と生活制限の真実
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執行猶予期間中、当事者の頭上には常に「本来受けるはずだった実刑の重み」が糸1本でぶら下がっています。刑法では、どのような事態が生じるとその糸が切れて刑務所へ送られるのか、明確な取消要件を定めています。
まず、避けることができないのが必要的不取消(必要的取消)と呼ばれる条件です(刑法第26条)。猶予期間中に再び故意の犯罪に手を染め、禁錮以上の実刑判決を受けた場合、裁判所に裁量の余地はなく、執行猶予は法的に自動取消となります。この場合、新しく犯した罪の刑期に加えて、以前に猶予されていた刑期(例えば「懲役2年」)も上乗せされて服役しなければなりません。
一方、裁判所の判断に委ねられる裁量的取消(刑法第26条の2)も存在します。過失による事故や罰金刑にとどまった場合、あるいは保護観察付執行猶予において保護司との定期面接を正当な理由なく拒絶したり、定められた遵守事項に著しく違反し警告に従わなかったりした場合がこれに該当します。現場の観察記録によると、「少しくらい約束を破っても大丈夫だろう」という慢心から連絡を絶ち、収監手続きが進められるケースは決して少なくありません。
なお、実務上で極めて例外的な論点となるのが執行猶予2回目の可能性と判例です。刑法第25条2項では、執行猶予中であっても「1年以下の懲役・禁錮等の言い渡しを受け、情状に特に酌量すべきものがあるとき」に限り、いわゆる「再度の執行猶予」を認める余地を残しています。しかし、判例上このハードルは極めて高く、保護観察が付いていないことや被害者への完全な弁償、やむを得ない極限的事情が揃わない限り、2回連続での執行猶予が認められることはまずありません。