なぜ会津田楽に人は熱狂するのか?囲炉裏炭火と秘伝味噌の400年
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会津田楽の歴史の起源を辿ると、江戸時代前期の延宝年間(1673〜1680年)に創業した老舗お秀茶屋に行き着きます。会津若松から東山温泉へと向かう街道沿いに佇むこの茶屋の目の前には、かつて湯川の河原が広がっており、江戸期には会津藩士の処刑場として使われていたという陰影ある歴史を秘めています。刑場へと向かう罪人や旅人の無常を慰めるために供された素朴な田楽が、長い歳月を経て地域の日常食、そして誇り高き郷土料理へと昇華していきました。
また、海から遠く離れた山間盆地である会津において、田楽は貴重なタンパク源を効率よく、かつ美味しく摂取するための生活の知恵でもありました。日本海側の新潟を経由して運ばれてきた身欠きにしん(干物)を米のとぎ汁で丁寧に戻し、味噌を塗って炭火で炙ることで、保存食特有の臭みを消して極上の旨味へと変換したのです。厳しい冬を越すための保存技術と、街道を行き交う旅人をもてなす茶屋文化が交差した場所に、会津田楽の揺るぎない土台が築かれました。